Discord買収の噂から思うSkypeの思い出~Discordのこれから~

10何年も前から存在するインターネット通話ソフト「Skype」。代替ソフトも数多くあったが私が好んで使ったのはこの「Skype」だった。

おおよそ10年前、TRPGのオンラインセッションで仲良くなった人と掲示板機能を用いて会話する場所に使用されたのが「Skype」だった。

カードゲームをプレイする時に慣れないWebカメラを用いて顔を移さないように配慮しつつ遊んだのも「Skype」だった。

英会話教室や音楽レッスンでオンラインを用いるという新たな試みで、海外に居る人なので遅延を感じつつも楽しんだのも「Skype」だった

上手く運用出来ずにメンバー内で不和を引き起こしてしまい、空中分解したのも「Skype」だった。

 

そんな苦くも甘い経験を共にしてきた「Skype」は今やシェア独占ソフトではなく、その他の代替ソフトも利用されている。

2021年にはSkypeのビジネス版である「Skype for Business」が7/31でサービスを終了し、Teams一本化を目指すという方針となったようだ。(一般ユーザー向けには「Skype」は存続していく)

[blogcard url=https://blogs.windows.com/japan/2019/07/30/skype-for-business-online-to-be-retired-in-2021/]

 


 

話は変わって2021年3月23日、いつものように昼ごはんを食べながらネットのニュースを見ていると……信じられないニュースが目に飛び込んできた

[blogcard url=https://automaton-media.com/articles/newsjp/20210323-155573/]

スレタイ通りなら、思い起こされるのはマイクロソフトに買収されて以降のSkypeの凋落だった。ただ読み進めていると少しはホッとするような記事の一文があった。

なおBloombergは、マイクロソフトのDiscord買収は、差し迫って合意が成立する見通しはないと報じている。一方VentureBeatは、Discordはすでに交渉しているひとつの企業と独占買収交渉を進めており、交渉が佳境にあると、独自ソースをもとに報道している。

『Automaton マイクロソフトなどがDiscord買収にむけて交渉中との報道。複数企業が時価総額一兆円強にて、買収をめぐり交渉』 より一部分を引用

もともとDiscordを長年利用してきて分かるのは、Discordは当初ゲームに特化した機能を作るという部分から一般向けや販路を拡大しようとする動きが見られていた。

その最たる物がSteamやEpicGamesのようなPCゲーム販売に関するものだ。

[blogcard url=https://automaton-media.com/articles/newsjp/20190914-101839/]

大体1年以内で終わってしまったサービスだが、この前後から運営方針に変化が起きていたのは想像に難くない。

M&Aを通して、一般的な企業と連携を取ることでゲーマー向けだったDiscordに変化をもたらすという意味では、仕方ないと思う部分はあった。

しかし、問題なのはその買収に対して手を上げている企業の中に「Microsoft」社があることが、私が今回の記事を書くに至った「Skypeの苦い記憶」について思い起こされてしまったのだ。

目次

当時のSkype 最盛期は2008年~2010年ほど

Skypeは2003年にSkypeが設立、ベータ版を経て2004に正式版がリリースされた。そこからeBayの子会社化やビデオ通話機能の確立を経て2008年頃には最盛期となっていった。

Skypeの通信方式はP2Pネットワークをさらに改良した機能を用いて、ユーザーに広く使われやすい安定した通信速度やUIをもって親しまれた。その後はクラウド方式に変わっていったようだが……

全盛期の文化はそれこそ多種多様で、ビジネス目的はもちろん、一般、ゲーマー、アングラな人々にも使われてきた。「エロイプでおっさん釣ってみたwww」なる動画がニコニコ動画で流行ったりと、ネット界隈では広く浸透していた結果だろうと思う。

PSPにもSkypeがインストールされていたことを忘れてはならない。携帯が無い時代はそれで無理やりコミュニケーションを取っていた記憶が今や懐かしい…(歳ばれるな)

[blogcard url=https://nlab.itmedia.co.jp/games/articles/0804/17/news011_2.html]

私がもっぱら使っていたのはSkypeのグループを作成し、利用者を大量に入れて掲示板機能を使っていたことだ。その当時は100人くらいグループ利用者が増えた。

もちろんその当時TRPGが流行っていたのも背景にあったし、出入り自由を掲げていたので私自身がPRしなくても人は増えた。それだけSkypeが利用されてきた証なのだろう。

その間に人が増えれば増えるだけちょっとしたことでメンバー間で不和が発生し、私自身も管理者を気取っていなかったため喧嘩別れも多かった。

当時私も未熟で、中学生時代にはそういった喧嘩に首を突っ込んでひどい火傷を負ったこともあった。そのためその喧嘩の仲裁も出来ずに居た。今でもあの時こうしておけばよかったんじゃないか…という苦い思い出が頭をよぎることはある。

ともあれ、そういった思い出がある以上当時のSkypeというソフトは安定していたのだ。

Microsoftの買収とユーザー目線について

Skypeの衰退を語る上で、分岐点となったのが「Microsoft」の買収である。なぜ大企業が多額の買収をしたにも関わらずユーザーから好意的な目で見られなかったのか、少しだけビジネス視点の記事も読んできたのでそれも含めて確認してみよう

携帯電話メーカー・Nokiaの場合

2013年、Nokiaは携帯市場で1位のサムスンに追随して2位の出荷台数を誇っていた。以前からWindows phoneを出しているNokiaを買収し、スマートフォン事業で2位になろうとしたMicrosoftはNokiaを買収した。

しかし結果的にWindows Phoneは2019年12月10日に終了してしまったため、実質的に敗北した結果で終わってしまった。

これの理由については数々の意見が述べられていたが、キーワードは「急激な方針転換」にある。

[blogcard url=https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/711348.html]

2015年CEOが交代し、モバイル事業の新しい戦略を固めた上、その事業を中心に全体の6%にも登る大規模な人員削減があったのだ。

これは結果的に買収問題でよく言われている「買収する企業はあらかじめ目的や方針を明確にし、買収先の従業員を大切にする」ことを怠ったためと言われている。

筆者はエコノミストではないためあまり詳しくはないのだが、結果としてMicrosoftは買収失敗という事例を作り出してしまったという意見が多い。

 

ゲーム会社・Mojangの場合

こちらは個人的な部分から見ても大きな失敗とは言えない。というのもMinecraft自体は複数あるからということだ。

Minecraftには以前からのバージョンであるJava版と主にメインとして遊ばれている統合版がある。Java版はPCのみで、統合版はPCの他、スマホやXbox、Swich、PS4、果てはVRにまで対応している。

ここ最近は統合版のアップデートが多く、Java版はそこまでアップデートしていないという現実があるのだが、実際のところJava版はそこまでダメージを受けない。

というのもJava版はModやCraftBukkitを初めとした様々な拡張機能を有するからだ。特にModに至ってはMincraft社に属さない完全な個人・集団が拡張機能を作成し配布しているため、実質的にはカスタマイズ性が無限大の更新が行われていると言っても過言ではない。

それを理解しているためか、あくまでアカウントは今後Microsoftアカウント一本化はするがJava版は存続されていくという方針を取っている。

一方でもともとMinecraftを作っていたNotch氏がMicrosoftにMojangが買収されたことをきっかけに退職しているが、そこでは若干ひと悶着があった。

[blogcard url=https://www.gamespark.jp/article/2014/09/16/51599.html]

これを読んでどのような感想を持つかは人それぞれだが、考えさせられる声明だ。

Skypeの場合

こちらも個人的な部分からの評価になるが、ユーザーの使い勝手を考えないUIの改悪が最前面にある。もちろん通信環境の改悪やデータ移動の制限、その他も忘れてはならない。

当時Skypeは掲示板としても使っており、通話機能やフレンド欄が画面を専有してしまうのを防ぐためかそれぞれ窓を分割もしくはサイズ変更が出来ていた。

一方でいつからかそれが不可能になり、Microsoft買収以降はさらにその掲示板機能の枠をさらに狭めるように広告が表示されるようになったのだ。

そして筆者が「Discord」へとグループメンバーを連れて移行するようになった決定的な物に「掲示板表示のLINE化」が上げられた。

今までは普通の掲示板風に書けていたのに、強制的なアップデートの後にレスの吹き出し表示や、他人は左寄せ、自分は右寄せの定番表記に変わってしまった。

定番だからといって決して使い勝手が良いとは言い切れず、吹き出し表示であるため人が増えれば増えるほど見やすさに欠け、検索性も低かった。もともと話題事に分けられない不便さもあったのにそこからさらにUIが変更されてしまったがために我慢が限界に達し、TRPGメンバーに半ばゴリ押しでDiscordを進めた。

 

Microsoft社のユーザー目線

Microsoftはパソコンを動かす上での根幹を司るシステム「OperationSystem」を作っている会社だ。WindowsシリーズはMacintoshシリーズと双璧を成し、恐らく企業個人ともにトップのユーザー数を誇るだろう。

そんなWindowsであるが、そのOSの方針に不満を抱えるユーザーも少なくない。ここ最近ではWindows10の自動アップデートに問題がある。

というのも、Windows10は特別設定をしていなければ、Home、Proどちらも自動的に更新データをダウンロードし、その後再起動を促してくる。場合によっては不意打ちの再起動により作業データが損傷してしまうリスクすらも秘めている。

またアップデート自体も人間が作っているだけに、エラーが発生する。顕著なのはそのアップデートによってPCが以前に比べ正常に動作しなくなるということもあるのだ。

Pro版はある程度任意で自動アップデートを無効に出来るため、筆者は課金をしてProへとアップグレードしている。そのため、アップデート後に起こるであろう問題とはほとんど遭遇していない。

WindowsXPや7の時代では自動アップデートと言っても設定によってアップデートは無効化出来たのにWindows10になってからは自動アップデートしか出来ないという形でユーザーに不満を与えていたという背景もある。

 

余談

あくまで想像だが、この問題は決してMicrosoft側「だけ」の問題ではなく、パソコンを利用するユーザー側にも問題があると思われる。

というのもセキュリティの観点、OSの性能向上、エラー回避のために最終的にはアップデートされなければならない。恐らくそれを企業もしくは個人が故意に、または知らずにアップデートせず結果的にそれが原因で問題が発生した時に、Microsoft社に問い合わせが寄せられてしまうのは想像に難くない。

そのリスクを回避するためにMicrosoft社が故意に自動アップデートを行うように設定した可能性もあるのでこちらの方面からあまり攻めることは出来ないように思う。

補足と結論 方針変換という問題

ただしMicrosoftが買収したすべてが悪い結果に収まったわけではない。その最たるものと個人的に思っているのがプログラミングや制作界隈において非常に利用率の高いと思われる「GitHub」だ

こちらもMicrosoftが買収しているが、一方でNokiaのような一方的な方針転換はせず、今までの方針を尊重しているため恐らくは大きな問題が起こっていない。

 

方針転換はもしかしたら高度な戦略としてしばしば必要になるのかもしれない。ただそれはユーザー離れへと繋がるリスクとを天秤にかけることになる

これは買収という問題の枠組みに留まらず、全ての事に言えるかもしれない。

Discordのこれから

現在のところDiscordがどこの企業に買収されるのかは決定していない。

ただ一人の、ただのDiscordユーザーとして思うのは

  • なぜSkypeからDiscordへと移動していったユーザーが多いのか
  • なぜDiscordには利用者が多いのか

これらを買収企業や運営が考慮しなければ、またこういったツールに関する利用者総取り合戦が始まる可能性は高まるだろう。

そこで新しいソフトや考え方は増えるかもしれない。だが個人的には、Skypeでの思い出のようにキレイに残しておいて欲しいなと思わざるを得ない。

 

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